帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「山椒魚の呪い!」

山椒魚の呪い! ー液汁超獣ハンザギラン登場ー
ウルトラマンA』制作第47話
1973年2月23日放送(第47話)
脚本 石堂淑朗・山元清多
監督 古川卓己
特殊技術 田淵吉男

 

液汁超獣ハンザギラン
身長 59m
体重 4万t
サユリとサユリの祖父が飼っているオオサンショウウオのショウベエが太陽光線を吸収して超獣化した。かつて村人によって全滅させられたオオサンショウウオの復讐を始める。サユリや祖父の吹く笛で大人しくなっていたが、凶暴化して祖父を殺すとサユリも襲った。
口から溶解液を吐く。
エースによって太陽光線を遮断されて鍾乳洞の中に封じられた。
名前の由来はオオサンショウウオの別名である「半裂き」から。

 

物語
突然村を襲う超獣ハンザギラン。
その裏にはオオサンショウウオを守ろうとして家屋敷を失った老人の怨念があった。

 

感想
ショウベエが超獣化した理由だが、サユリの祖父やショウベエの怨念がヤプールの怨念と共鳴したと考えるのが妥当だろう。

 

元々は村人が農薬を撒いてオオサンショウウオを全滅の危機に追い詰めたのが原因で、サユリの祖父の言う通り、村人がハンザギランに襲われたのは因果応報と言える。
ハンザギランは封印されたが相次ぐ襲撃で村は壊滅状態となり、もはや、この村に住み続けようと言う村人もいなくなったと思われ、ハンザギランの復讐は成功したと言える。

 

サユリの祖父はオオサンショウウオを守ろうとして自分の家屋敷も抵当に入れている。普通、こう言う自然や動物を保護しようとする人間は好人物として描かれるのだが今回はそういう感じが無い。おそらくサユリの祖父の目的がオオサンショウウオの保護から自分を馬鹿にした村人への復讐に変わったからであろう。しかし、完全に復讐に狂ったわけではなく、最後はサユリを助けようとして命を落としている。

 

ハンザギランはどうしてサユリの祖父やサユリまで殺そうとしたのか?
ショウベエは太陽光線が全く当たらない鍾乳洞で飼われていて体が真っ白になっていた。サユリ達のショウベエに対する扱いも村人達が農薬でオオサンショウウオを全滅させたのと同じく人間のエゴだったのかもしれない。

 

今回の変身はどう考えてもサユリにバレただろう。
てんやわんやで気付かなかったとするしか無いが、ホント、もう少し考えて変身してよ……。

 

祖父も失ったサユリは竜隊長の姉の所に引き取られて幸せになったらしい。せめてもの救いであるが、やや取って付けた感じもするラストであった。

 

今回の話で石堂さんと一緒に脚本を担当している山元清多さんは実は『帰マン』の「残酷! 光怪獣プリズ魔」の脚本を書いた人らしい。

 

今回の話は古川監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。