帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「復活! ウルトラの父」

「復活! ウルトラの父 ー雪超獣スノーギラン登場ー
ウルトラマンA』制作第38話
1972年12月22日放送(第38話)
脚本 石堂淑朗
監督 山際永三
特殊技術 高野宏一

 

伝説怪人ナマハゲ
身長 2m
体重 75kg
異国(西洋)の神を崇めて日本古来の八百万の神を祀らない日本人に制裁を加えようと、クリスマスに浮かれる西洋かぶれの日本人をスノーギランを使って失明させていく。
ウルトラの父のファザーショットで倒された。
秋田の「なまはげ」がモデルかな。完全に妖怪。

 

雪超獣スノーギラン
身長 49m
体重 2万7千t
ナマハゲが仕掛けた発泡スチロールの雪だるまの中から現れた。最初は人間大だったが巨大化する。
強烈な光で人間を失明させる。頭部からの光線や全身から出す冷気でエースを苦しめ、一度はメタリウム光線にも耐えた強豪。
ウルトラの父によって復活したエースに再びメタリウム光線を撃たれて倒された。
劇中では「雪だるま超獣スノギラン」と呼ばれた。

 

ウルトラの父
身長 45m
体重 5万t
怪しさ大爆発なサンタクロースに変身していた。まだ魂だけの存在らしい。夕子と並んでいる場面を見ると人間大にもなれるらしい。意外と飄々とした性格だった。
苦戦するエースにエネルギーを与えて復活させた。
「エースよ、挫けるな! 立ち直って超獣を倒すのだ!」。

 

月星人南夕子
月に帰っていたがウルトラの父の願いを受けて地球にやって来る。
右手からの光線で失明した人々を治していった。
ウルトラの父からのTACと視聴者へのクリスマスプレゼント。

 

物語
人々はクリスマス・イヴを楽しんでいたが、日本古来の神を祀らない事に腹を立てたナマハゲがスノーギランを使って人々を襲う。
その危機に現れたのは死んだはずのウルトラの父と月に帰っていた南夕子であった。

 

感想
今回の話はクリスマススペシャル。
劇中で主題歌が流れて、「今だ! 変身! 北斗と南ー♪」と思い切り歌われているが、それも特別編だからと言う事にしておこう。

 

駄々をこねる子供にエースの人形をあげる星司。子供よ、知らない人から物を貰ってはいけないよ。

 

養護施設に行く星司達。香代子は年に一度か二度しか来ていないらしいが子供達の為にたくさんのクリスマスプレゼントを買ってきていた。自分達が苦労した分、同じ苦労をしている人達を放っておけないのだろう。

 

スノーギランに失明させられた人々は目から血を流していてちょっと怖かった。

 

怪しさ大爆発なサンタクロース。事態が事態なだけに星司が怪しむのも無理は無い。
それにしてもユカリ先生が大変な目に遭ったのに、すぐさまサンタクロースにプレゼントをねだる子供達って……。

 

ナマハゲは日本古来の八百万の神を祀らない日本人に制裁を加えようとしたが、どの神を信仰するかは個人の自由で、日本人だから日本古来の神を信仰しなければいけない理由は無く、それを無理矢理押しつけようとしたナマハゲが倒されてしまったのも当然と言える。
ナマハゲとは逆にサンタクロースは「おじさんは良い人なのかい? 悪い人なのかい?」と言うダンの問いに「君はどう思う?」と答えている。どの神を信仰するかは神が決める事ではない、人間自身が決める事なのだ。

 

スノーギランは何者なのか?
ヤプールが残した野良超獣をナマハゲが拾った」、「ヤプールがナマハゲにスノーギランを与えていた」、「ヤプールの破片がナマハゲの怨念と共鳴した」のどの説を採っても物語に支障は無い。
しかし、西洋かぶれの日本人に制裁を加えると言って横文字の超獣を使うのはおかしいので、今回は日本語の名前を持つ超獣の方が良かった。

 

今回と次回の星司は「ウルトラタッチ!」と叫んで変身している。今回の話に夕子が登場しているからかな?

 

スノーギランが迫る中、ユカリ先生を置いて自分達は逃げられないと言う子供達。別に歩けなくなったわけではないので、ユカリ先生と一緒に逃げれば良いのに……。

 

いきなり巨大化するサンタクロース。
ダンと竜隊長にはその正体がウルトラの父である事が分かったらしい。
それにしても、あんな巨大なサンタクローズが現れたのに皆は意外と驚いていなかった。何故?

 

サンタクロースの正体はウルトラの父であった。
最初に「北斗……君」と危うく呼び捨てにしてしまいそうなところが細かい。
エースはウルトラの父の事を「お父さん」と呼ぶ。ウルトラ兄弟は実際は血の繋がりが無い義兄弟で、ウルトラの父も実の父親ではないと言う設定は有名。裏設定によると、エースは孤児でウルトラの父に拾われたらしい。今回の養護施設の子供達と重なる設定だ。

 

ウルトラの父はまだ魂だけの存在らしい。
ウルトラの父のその後の登場だが、昭和ウルトラシリーズでは『T』の「ウルトラの父と花嫁が来た!」でリンドンを倒して珠子を生き返らせた以外はメッセージを送ったくらい。リンドンを倒した時も光に包まれていたので、実はウルトラの父はその後も魂だけの存在で実体は無かった可能性がある。元々が光の存在であるウルトラマン達には実体があろうと無かろうとあまり違いが無いのかもしれない。(『帰マン』の「怪獣総進撃」を見るに地球に留まる場合はさすがに実体が必要だと思われる)

 

夕子再び! 綺麗だ。
ウルトラの父でも治せなかったものを治せるとは凄い! 月星人の中でもここまでの能力を持つのは夕子くらいであろう。だからこそ、ルナチクス打倒の使命を与えられたと思われる。
とにもかくにも夕子をいなかった事にしなかった事が嬉しい話。