帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「サボテン地獄の赤い花」

「サボテン地獄の赤い花 ーさぼてん超獣サボテンダー登場ー
ウルトラマンA』制作第12話
1972年6月23日放送(第12話)
脚本 上原正三
監督 平野一夫
特殊技術 佐川和夫

 

さぼてん超獣サボテンダー
身長 60m
体重 5万t
一度はエースに敗れるが小さくなってエネルギーを吸収していく。
サボテン売りの息子・三郎に「サブロテン」と名付けられて男の友情を結ぶ。
最後はTACのスペースミサイルのエネルギーで復活を果たした。
全身のトゲをミサイルにする。長い舌で相手を捕らえる。溶解性の霧を吐く。
サーキュラーギロチンで倒された。
ハリネズミとサボテンの合体生物。
名前の由来は「サボテン」かな。

 

物語
エースの活躍によって撃退された超獣サボテンダー
しかし、ヤプールはこれしきで諦めはしなかった。

 

感想
今回はエースが冒頭から戦うと言う珍しい展開。
実は無くても物語に支障は無いのだが、あえて入れる事で展開に変化が付いた。
『A』は対ヤプールと言う決まった図式があるので展開がワンパターンにならないように工夫されている。

 

結局は撃退されるが、もはや残存部隊とは言えない戦力を持っている地球防衛軍

 

エースのダメージは星司の方に現れる。やはりエースは夕子より星司寄りに合体していると言う事なのかな。

 

子供は残酷なものが好き? その割に話が暗くならなかったのは三郎のキャラクターに依るところが大きい。サブロテンとの奇妙な友情関係が面白かった。
人間も食べるサブロテンだが三郎は襲わずに代わりにアベックや夕子を襲っていた。恩を感じていたのかな?

 

サブロテンの成長した姿としてサボテンダーの絵を描く三郎。冒頭にあったエースとサボテンダーの戦いを知らなかったのかな?

 

星司役の高峰圭二さんと同じ事務所の桜木健一さんが佐田刑事役として、同じく近藤正臣さんが岸田博士役として特別出演している。出番は少ないものの、やはり二人とも印象に残るキャラクターであった。

 

佐田刑事は「出しゃばりTAC」と言って自分達の縄張りが荒らされるのを嫌っていた。特別出演なので無理なのは分かるが、佐田刑事を準レギュラーにしてTACと対立させるのも面白かったと思う。

 

岸田博士の言うように、どの環境でも適応出来る人間は実は地球上で最強なのかもしれない。

 

星司の「過去に宇宙昆虫がレーザーで巨大化した事がある」は『帰マン』の「怪奇! 殺人甲虫事件」(脚本は上原さん)を踏まえての台詞。おそらく「決戦! エース対郷秀樹」の件でMATの資料を改めて調べて過去の事件について色々と知ったのだろう。

 

事件が解決した後、「超獣になるサボテン」と言って商売をする三郎が逞しすぎる。それは詐欺だぞ。(結局は損をしちゃうわけだが)
やはり地球上で一番逞しいのはサボテンでも超獣でもヤプールでもなくて人間だ。