帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「セブン暗殺計画 前篇」

「セブン暗殺計画 前篇
ウルトラセブン』制作第38話
1968年6月30日放送(第39話)
脚本 藤川桂介
監督 飯島敏宏
特殊技術 高野宏一

 

分身宇宙人ガッツ星人
身長 2m~40m
体重 200kg~1万t
「いかなる戦いにも負けた事が無い無敵のガッツ星人」と豪語するだけある強豪宇宙人。
アロンを使ってウルトラセブンの情報を分析する。ウインダムを倒し、分身や光線を使ってウルトラセブンも倒すと十字架に磔にして公開処刑する事を宣言した。

 

豪力怪獣アロン
身長 45m
体重 1万3千t
ガッツ星人ウルトラセブンの情報を分析する為に使った怪獣。
ウルトラセブンのビームランプを点滅させるところまで追い詰めるがアイスラッガーで首を切り落とされて倒された。

 

カプセル怪獣ウインダム
身長 ミクロ~40m
体重 0~2万3千t
ガッツ星人を倒そうとするが宇宙船からの光線を電子頭脳に受けて倒されてしまった。
ここで死亡したとする説もあるが、『平成セブン』や『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にも登場しているので無事だったようだ。(2代目と言う可能性もあるが) 

 

物語
ガッツ星人はアロンを使ってウルトラセブンの情報を分析。ウインダムを倒し、ウルトラセブンも倒してしまう。
敗れ十字架に磔にされたウルトラセブン。地球人をかつてない絶望が襲う。

 

感想
「暗殺」と言っていながら正面から戦いを挑み、最後は公開処刑を宣言するガッツ星人

 

アロンとの戦いは物語の中では前座扱いだが、モノクロにされていたりエメリウム光線を撃つところを正面から撮っていたりと演出が凝っていて見応えがある。
因みにガッツ星人の分析ではウルトラセブンの身長は40mではなくて50mになっている。

 

ガッツ星人の偽通報に振り回されるウルトラ警備隊だが、キリヤマ隊長は「たとえ1000回の通報が1000回とも嘘でも出動するのがウルトラ警備隊の義務だ」と語る。『ウルトラマンA』のTACに聞かせたい台詞だ。

 

フルハシ隊員曰く妹の友達であるナツコ。
でも友達の兄に自分とペアの宝石をあげるものかね。白状しなよ、フルハシ先輩。
ところでナツコはサファリラリーに参加していたらしい。やはり当時はラリーが流行っていたようだ。

 

ガッツ星人に周りを囲まれるがアンヌ隊員は必死に恐怖と戦う。
今まで恐がりなところがあったので逃げずに戦おうとした場面は見ていてグッとくるものがあった。

 

「貴様など相手にならん」としてあっさりと倒されてしまったウインダム。
ショックではあるがガッツ星人の強さは存分に出た。

 

さらにショックなウルトラセブンの敗北。
アイスラッガーエメリウム光線、ワイドショットすら通じず、最後は十字架に磔にされてしまう。
これもウルトラセブンの敗北を見せつけて地球人に絶望を与えると言うガッツ星人の目的を考えたら最高の演出であった。

 

ガッツ星人の宇宙船が姿を現し、地球防衛軍の戦車部隊が出撃する。
そう言えば『ウルトラセブン』で戦車が登場するのは意外と少なかったなぁ。

 

ガッツ星人ウルトラセブンを十字架に磔にしたのは心の拠り所を失わせる事で地球人の戦う勇気を失わせて服従させる為と分析するタケナカ参謀。既にウルトラセブンの存在は地球人にとってなくてはならないくらいに大きくなっていた。だからこそ「史上最大の侵略 後編」での「地球は我々人類自らの手で守り抜かなければならないんだ!」と言うキリヤマ隊長の言葉が大きな意味を持つ事になる。

 

皆がウルトラセブンの事を心配する中、アンヌ隊員はダンの事を訴える。この辺りから最終回の告白シーンが本格的に見えてきた感じ。

 

零下140度の対決」で活動時間を制限されたウルトラセブン。今回はそれを最大限に利用した話となった。だが、この後の話ではウルトラセブンのビームランプが点滅しなくなるのは残念。エネルギーを使い果たした最終決戦ぐらいは点滅してほしかった。

 

ウルトラセブンの敗北と言う絶望的な状況の中、地球防衛軍基地に送られてきた謎の発信音。まさか、新しい侵略者なのか!?
と言う事で次回「セブン暗殺計画 後編」に続きます。