帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「明日を捜せ」

「明日を捜せ」
ウルトラセブン』制作第23話
1968年3月10日放送(第23話)
脚本 南川龍・上原正三
監督 野長瀬三摩地
特殊技術 的場徹

 

宇宙ゲリラシャドー星人
身長 2m
体重 70kg
地下に地球防衛軍の超兵器開発基地がある03倉庫を火の玉で襲撃した。
占い師の安井に計画を知られたので安井の抹殺を図るが失敗し、次に安井の予知能力を使ってウルトラ警備隊を攪乱しようとした。
姿を消す事が出来る。タクシーに変身可能なダンプカーや光線銃を使用する。
ウルトラガンで次々に倒され、円盤もウルトラセブンのハンドビームで倒された。
名前の由来は「シャドー(影)」かな。

 

猛毒怪獣ガブラ
身長 ミクロ~48m
体重 0~3万t
ウルトラセブンに降伏すると見せかけたシャドー星人が送り込んだ怪獣。
シャドー星人が円盤から操作していて、アイスラッガーで首を切り落とされても首だけで動き回る事が出来る。
歯には毒があってウルトラセブンを苦しめた。
円盤が爆破されると首も溶けてしまった。

 

物語
占い師の安井が03倉庫が宇宙人に狙われていると騒ぐ。
ウルトラ警備隊が調査するが何も発見されない。しかし、キリヤマ隊長は気になって……。

 

感想
『貉』の場面があったりガブラが生首で飛び回ったりと怪談の要素が強い話。『ウルトラセブン』はSFのイメージがあるが意外とホラー系統の話も多い。

 

キリヤマ隊長が人間の持つ予知能力や霊感を信じていると言うのは意外だった。そんなキリヤマ隊長の行動に理解を示して銃を渡すマナベ参謀が良い。(銃を渡す=安井の予知能力が本当で宇宙人が出た時の備え)
マナベ参謀とキリヤマ、クラタ両隊長の昔話を一度見てみたかった。

 

「鬼の隊長も心霊現象にだけは弱かった」と弱いものが多すぎなアマギ隊員が言っているのが面白い。

 

ソガ隊員は占星術は気にするのに水晶占いは信じないんだね。

 

03倉庫は実は超兵器開発基地で惑星間長距離ミサイルの開発を行っていた。ひょっとして「超兵器R1号」に繋がる話なのかな。
キリヤマ隊長が安井の話を気にしたのは元々予知能力の類を信じていた他に03倉庫が地球防衛軍の動脈なので万が一も考えておかないといけなかったからと思われる。

 

普通の人間を超えた能力で事件を知っても科学的裏付けが無いと信じてもらえないと言うのは後のウルトラシリーズ(特に『ウルトラマンA』)で主人公を使って描かれる事が多い展開。今回のウルトラ警備隊から見た安井の姿は『ウルトラマンA』で山中隊員達から見た北斗の姿と同じだったのかもしれない。

 

安井が家に帰された後に行方不明になったのをウルトラ警備隊は把握していなかった。つまり、フルハシ隊員の「君の後ろにはウルトラ警備隊が付いている」と言うのは嘘で、安井は迷惑がられて追い出されただけだったのだ。それを知っていたのでキリヤマ隊長は「君の命は私が責任を持って守る」と言い、休暇願を出して個人で安井を保護しに行ったのだろう。

 

安井にデタラメな予言をさせてウルトラ警備隊の注意力を引きつけ、その隙に地球防衛軍基地を襲撃する。そんな事は予知能力を使わなくても誰だって分かるよ、シャドー星人。

 

安井の予知能力を信じなかった事を謝るフルハシ隊員達に対して「謝る事は無い」と言っていながらフルハシ隊員だけ居残りさせるキリヤマ隊長。
この人が公私混同をするとは思えないので他意は無かったのだろうけれど、ちょっと気になってしまった。

 

今回のウルトラセブンはガブラの毒に苦しんで倒れて消えると言う珍しい退場シーンとなっている。
因みにウルトラマンとハヤタ隊員と違ってウルトラセブンとダンは肉体的なダメージを受け継いでいる。

 

事件解決後、安井は超能力を失っていた。これで宇宙人に狙われる心配が無くなったと喜ぶ安井だが占い師の仕事はどうするのかな?