帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラ警備隊西へ 前編」

「ウルトラ警備隊西へ 前編
ウルトラセブン』制作第17話
1968年1月7日放送(第14話)
脚本 金城哲夫
監督 満田かずほ
特殊技術 高野宏一

 

策略宇宙人ペダン星人
身長 2m
体重 50kg
地球防衛軍のワシントン基地が打ち上げた観測用のロケットを侵略行為と捉えて報復を宣言した。
六甲山の防衛センターで開かれる防衛会議の出席者を次々に殺害し、「ワシントン基地の頭脳」と呼ばれているドロシー・アンダーソンに成りすまして地球防衛軍の動向を探っていた。

 

宇宙ロボットキングジョー
身長 55m
体重 4万8千t
ペダン星人の4機の宇宙船が合体したスーパーロボット
エメリウム光線アイスラッガーが通じず、ウルトラセブンを圧倒する。
名前の由来は金城さんの父親のニックネームから。 

 

物語
地球が打ち上げた観測用のロケットを侵略と捉えてペダン星人が報復を宣言する。
ウルトラ警備隊は防衛会議に出席するドロシーを護衛する事になるが……。

 

感想
神戸ロケが行われた『ウルトラセブン』初の前後編。

 

地球防衛軍関係者のドロシーを宇宙人である謎の男が狙っていると言う展開かと思いきや実は狙われていたドロシーが宇宙人で謎の男が地球防衛軍の関係者だったと言うどんでん返し。
謎の男マービンの正体はワシントン基地が依頼した秘密諜報員だったが、キリヤマ隊長がその存在を知らず、マナベ参謀もドロシーを護衛していた人物について言及していなかったところを見ると、ワシントン基地はマービンの存在を極東支部に伝えていなかったようだ。マービンも身分証明書等を盗まれて自分を証明する事が出来なかったので極東支部に連絡を入れなかったと弁明しているが、その一方で「自分の力で宇宙人を始末したかった」とも言っているので、最初から極東支部とは距離を置いて活動するつもりだったのかもしれない。そのおかげで話がややこしくなってしまった。
それにしても釣り竿を構えて現れたマービンは怪しさ大爆発過ぎる。これで宇宙人と間違えるなと言われても無理がある。

 

外国人連続殺人事件の調査に乗り出そうと訴えるソガ隊員達。しかし、地球防衛軍が人間相手に出動したら色々と問題があるであろう。キリヤマ隊長が言うように、ウルトラ警備隊の任務は宇宙からの侵略から地球を守る事で殺人事件は警察の仕事である。まぁ、結局はウルトラ警備隊が関わる事になるのだが。

 

ドロシーを護衛する時にフルハシ隊員は「地球は一つ」と発言しているが、その考えを地球から宇宙へと広げる事は無かった。『ウルトラセブン』の遊星間戦争と言う設定を実際の紛争(当時だと東西冷戦)に当てはめると、この「地球は一つ」と言う言葉にはある皮肉を感じる。

 

今回の話に限らず『ウルトラセブン』にはスパイ風の展開が多い。
これは映画『007』シリーズで起きたスパイブームの影響と思われる。

 

ウルトラシリーズのロボット怪獣は過去にもガラモンやナースがいるが今回のキングジョーの存在感は抜きん出ている。
キングジョーと言えば合体・分離であるが、平成に入ってCGが導入されるとキングジョーが見せた合体・分離・変形を取り入れたロボット怪獣が次々と登場するようになった。特に『平成セブン』の「模造された男」に登場するキングジョーⅡの分離・合体シーンは一見の価値あり!

 

ウルトラセブンとキングジョーの戦いは水面に両者が映る場面等、色々と工夫があって面白かった。
と言う事で次回「ウルトラ警備隊西へ 後編」に続きます。